前作からさらに衝撃が増した『ドント・ブリーズ2』。
盲目の老人が育ててきた少女と、その過去にまつわる真実が明かされる今作は、前作とはまた違うテーマを描いています。
今回は、そんな複雑で切ない続編を観た感想をレビューしたいと思います。
※この記事ではネタバレがあります。未視聴の方はご注意ください。
※こちらの記事は私が映画を観て感じた個人的な感想です。
好みや受け止め方は人それぞれですので、「こんな意見もあるんだな」くらいの気持ちで読んでいただければ幸いです。
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あらすじ
ストーリー デトロイトの貧しい田舎町で強盗を企てた3人の若者が孤独な盲目の老人が住む屋敷に忍び込み、暗闇で殺人マシーンと化した老人から返り討ちに遭うという衝撃の出来事から8年後。 老人はなぜか一人の少女を“大切”に育てながら暮らしていた。 しかしある日、その少女が謎の武装集団に誘拐されてしまう。
感想
前作から数年後。盲目の老人（じいさん）は、火事現場から救い出した幼い少女フェニックス（本名タラ）を、自分の娘として育てながら静かに暮らしています。
しかし、その「救出」は実は誘拐でした。フェニックスの本当の両親は生きており、彼女を奪われたままの状態だったのです。
物語が進むと、フェニックスの実父が登場します。最初はトイレで待ち伏せしたり、ロリコンの変質者かと思うような不気味な雰囲気でしたが、髪色の特徴が同じで、すぐに実の父親だと分かります。彼は明らかに悪人で、夫婦とその手下たちで麻薬の取引をしながら生活しているようなグループのリーダー的存在。そんな彼らがフェニックスを奪い返すため、じいさんの家に襲撃を仕掛けます。
母親は心臓病を患っており、自分の命を延ばすためにフェニックスの心臓を移植しようとしているという、常軌を逸した動機を持っています。つまり、この両親には娘への愛情がまったくありません。
そんな中、グループの中に一人だけまともな感性を持った人物がいて、じいさんにフェニックスの居場所へ向かう近道を教えるシーンがあります。彼だけが少しの良心を見せる存在でした。
父親が娘に放ったセリフ「なんでまだ生きてるんだ？」は、彼女への愛情が一切ないことを決定的に示す場面。冷酷で胸が痛む一言です。
最終的に、母親は銃で撃たれ、父親はじいさんによって「目潰しの刑」に遭い死亡します。
クライマックスでは、じいさんがフェニックスに自分の罪をすべて打ち明けます。
「自分は本当の父親ではないこと」「人を殺してきたこと」などを正直に話すのですが、その中で「レイプもしてきた」と言う場面があり、ここは引っかかりました。前作で彼は“レイプはしない”と明言していたはずなのに……。結局していたのか？と混乱させられる描写でした。
ラストでは、目を潰されたはずの父親がしぶとく生きており、じいさんに襲いかかります。最終的にじいさんは致命傷を負い、フェニックスに看取られる形で死亡。
フェニックスは複雑な気持ちを抱えながらも、じいさんに感謝していたように感じます。
最後、自分の名前を聞かれたときに彼女が選んだのは、本名「タラ」ではなく、じいさんがつけた「フェニックス」だったのです。ここに、彼女の心の答えが表れていました。
エンディング後、血まみれのじいさんの手を犬が舐めるシーンが流れます。指が動くのでは？と思わせる描写がありますが、結局動かず。おそらく本当に死んでしまったのでしょう。
続編はなさそうですが、じいさんの事だから復活の可能性も0では無い気もします(笑)
それでも、じいさんが犬に深い愛情を注いでいた姿は印象的でした。犬が最後に無事だったのが救い。
全体的に前作よりもアクション色が強く、倫理的に考えさせられる部分も多いですが、「盲目の老人」というキャラクターの人間らしさと狂気がさらに掘り下げられた作品でした。
📌 最後に
今回の作品の個人的な評価は ★★★☆☆（5点満点中） です。
全体的に暗く、重苦しい雰囲気ではありましたが、ストーリー的にはちゃんとまとまっていました。最後まで退屈しなかったし、なんだかんだ楽しめた作品でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました！
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