今回は映画『エックス（X）』を観た感想をレビューしていきます。
近年注目を集めているスラッシャーホラーの一本で、映像や演出に独自性はあるのですが、全体の印象としてはかなり人を選ぶ作品でした。
期待して観ると拍子抜けする部分もあり、正直に言えば自分には合わなかったという感想です。
※この記事ではネタバレがあります。未視聴の方はご注意ください。
※こちらの記事は私が映画を観て感じた個人的な感想です。
好みや受け止め方は人それぞれですので、「こんな意見もあるんだな」くらいの気持ちで読んでいただければ幸いです。
あらすじ
1979年、テキサス。女優のマキシーンとそのマネージャーであるウェイン、ブロンド女優のボビー・リンと俳優のジャクソンは自主映画監督の学生RJと、その彼女で録音担当の学生ロレインと映画撮影のために借りた農場へ向かう。映画のタイトルは「農場の娘たち」。この映画でドル箱を狙う――6人の野心はむきだしだ。農場で彼らを待ち受けたのは、みすぼらしい老人ハワード。彼らを宿泊場所として提供した納屋へ案内する。一方、マキシーンは、母屋の窓ガラスからこちらを見つめる老婆と目が合ってしまう……。
感想
舞台は1979年のテキサスの田舎。売れない映像制作者と出演者たちが、映画を撮るために農場を訪れます。
そこに暮らす不気味な老夫婦たちに襲われるというあらすじは面白そうだと思ったのですが、正直に一言、つまらない。
まず展開が動き出すまでがとにかく遅い。
まさかの前半1時間はほぼエ〇撮影と雑談で、ホラーらしさは皆無。
「ジェイソンのほうがもっと早く出てくるんじゃない？」と思ったほど、退屈すぎて眠たくなりました（笑）
映画の導入として緊張感を高める仕掛けがあるのかと思いきや、ただただ出演者たちの撮影風景が続くだけで、観ていて「この先本当にホラー展開になるの？」と疑ってしまいました。
そして終盤になってようやく事件が起きますが、ここも期待外れ。
グロ描写も中途半端で、ショックシーンとして印象に残るものはほとんどなし。
「怖い」という感情より「気味が悪い」という印象のほうが強かったです。
老人夫婦が突如豹変するというアイデアは面白いのですが、なぜそこまでの行動に至るのか背景が浅く、ただの不気味キャラに終わってしまったのが残念でした。
特におばあさんパールの存在感は大きいはずなのに、彼女の心理描写がほとんどなく、ただの狂気キャラとして描かれているのも物足りなさを感じます。
老夫婦の身体能力がやけに高く感じられ、現実味が薄れてしまった印象もあります。
とはいえ、一つだけ面白い仕掛けが。
主人公マキシーンを演じるミア・ゴスが、実は老女パール役も特殊メイクで兼任していること。
知ったうえで観ると確かに目元や雰囲気に共通点があり、「なるほど！」と思える部分があります。
これはキャスティング的に挑戦的でユニークな試みだと思いました。
ただ、初見ではまず気づきません。
後から調べて「あの老婆も同じ役者！？」と知って驚く仕組みになっているようですが、それを知っていたとしても作品全体の満足度はあまり上がらないのが正直なところです。
総じて言うと、テーマやアイデアには可能性があったのに演出やテンポの悪さで台無しにしてしまった印象の作品でした。
話題作だったので期待していた分、余計に落差を感じました。
まとめ
👍 良かったところ
-
ミア・ゴスが若い主人公と老女パールの二役を熱演。特殊メイクも見事で、同一人物だと気づきにくい完成度。
🤔 気になったところ
- 前半1時間がほぼ不要なシーンでテンポが極端に遅い。
- 終盤は動き出すが、背景説明が少なく物語の厚みは薄め。
- 老夫婦の身体能力がやけに高い。
- 老夫婦の背景が深く描かれず謎が多い。
📌 最後に
今回の作品の個人的な評価は ★☆☆☆☆（5点満点中） です。
次回作『Pearl（パール）』の公開も決定しており、こちらはパールの生い立ちを描いた作品のようです。
だからこそ『X（エックス）』では老夫婦について深く触れられていなかったのだと納得しました。
公開後にはぜひ鑑賞して、またレビューを書きたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました！
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